はじめに
投資の格言「卵を一つの籠に盛るな」。資産を分散させればリスクが減り、リターンが安定すると言われますが、果たして本当でしょうか?1985年から2025年までの40年間の株、金、債券、ポートフォリオのリターンデータを使って、表とグラフで検証します。過去のデータから何が学べるか、一緒に見ていきましょう!
データの概要
検証するデータは以下の4つ。1985年の値を100として、その後の成長を示しています:
- 株リターン: 株式市場の成長(グラフ: 青)。
- 金リターン: 貴金属(金)の変動(グラフ: オレンジ)。
- 債券リターン: 国債などの安定資産(グラフ: 緑)。
- ポートフォリオリターン: 株、金、債券を組み合わせた分散投資(グラフ: 水色)。
[表1: リターンの推移(抜粋)]
年 | 株 | 金 | 債券 | ポートフォリオ |
---|---|---|---|---|
1985 | 100 | 100 | 100 | 100 |
1995 | 265 | 114 | 134 | 162 |
2005 | 535 | 168 | 191 | 273 |
2015 | 974 | 328 | 259 | 488 |
2025 | 2796 | 595 | 311 | 922 |
(注: 全データは記事末尾の付録でご確認ください。)
単一資産 vs 分散投資:リターンの比較
1985年から2025年までのリターン倍率を計算してみました:
- 株: 100 → 2796(27.96倍)
- 金: 100 → 595(5.95倍)
- 債券: 100 → 311(3.11倍)
- ポートフォリオ: 100 → 922(9.22倍)

グラフを見ると、株が圧倒的に伸びています。2000年代後半から急上昇し、2025年には2796に。一方、金や債券は緩やかに成長し、ポートフォリオは中間くらいの伸びです。リターンだけで見ると、株に集中投資した方が良さそうに見えますね。
リスクを考える:変動の大きさ
でも、株のリターンは上下が激しいです。たとえば:
- 2007年→2008年: 629 → 409(約35%減)
- 2021年→2022年: 2247 → 1842(約18%減)
一方、ポートフォリオは:
- 2007年→2008年: 332 → 308(約7%減)
- 2021年→2022年: 784 → 723(約8%減)
グラフでも、株の線はジェットコースターのようですが、ポートフォリオは比較的落ち着いています。分散投資が急落時のダメージを抑えているのがわかります。
年間リターンの安定性
年間リターンの平均と標準偏差(バラつきの指標)を計算してみました:
- 株: 平均約9.5%、標準偏差約20.1%(変動大)
- 金: 平均約4.4%、標準偏差約11.2%(やや安定)
- 債券: 平均約2.8%、標準偏差約4.5%(かなり安定)
- ポートフォリオ: 平均約5.6%、標準偏差約8.3%(ほどほど)
[表2: 平均リターンと標準偏差]
資産 | 平均リターン | 標準偏差 |
---|---|---|
株 | 9.5% | 20.1% |
金 | 4.4% | 11.2% |
債券 | 2.8% | 4.5% |
ポートフォリオ | 5.6% | 8.3% |
ポートフォリオはリターンが株ほどではないけれど、変動が小さく安定しています。
分散投資の真価:最悪の年を乗り切る
2008年の金融危機を見てみましょう:
- 株: 629 → 409(-35%)
- 金: 241 → 253(+5%)
- 債券: 201 → 217(+8%)
- ポートフォリオ: 332 → 308(-7%)
グラフでも、2008年の株の急落が目立ちますが、ポートフォリオは緩やかな下落で済んでいます。金と債券がプラスに働いたおかげですね。
結論:格言は正しいのか?
グラフと表から、株はリターンが大きい分、リスクも高い。ポートフォリオは安定感があり、危機時に強さを見せます。「卵を一つの籠に盛るな」は、リスクを抑えたい人には参考になる考え方と言えそうです。とはいえ、リスクを取れるなら株に集中するのも一つの選択肢。過去のデータはあくまで参考なので、将来のことは誰にもわかりません。
おわりに
投資は数字だけでなく、心の平穏も大事。このグラフと表を参考に、投資について考えてみるきっかけになれば嬉しいです。感想や質問があれば、コメントで教えてください!
[注意事項]
この記事は教育目的の情報提供であり、投資の推奨ではありません。